冷蔵庫は購入、設置したら買い替えるまでコンセントは入れっぱなしになる電源スイッチの無い家電品ですよね。
また一度購入すると10年ほど使うと思いますので、10年先の状況も想定しながら冷蔵庫の容量や電気代を検討することは重要なポイントになります。
この記事は、冷蔵庫を購入する時のチェックポイントから購入後の使い方、故障、処分について解説します。
冷蔵庫を選ぶときのポイント
購入する前には、冷蔵庫ドアの開閉方向、庫内容量、電気代、設置スペース、搬入経路などを確認把握しておきましょう。
ドアの開閉方向
ドアの開き方は、「右開き、左開き、左右両開き、観音開き」の4種類あります。
壁の位置や設置場所の通路幅を確認しておかないとドアが開きにくくなりますので注意が必要です。
- 右開き、左開きは設置する場所の壁の位置に注意しないと食材が出しにくくなります。
- 左右両開きはどちらにも開けられるので便利ですが、種類は少ないです。
- 観音開きは、ドアの前のスペースが多少狭めでも使えますし、引越し予定があるようでしたらこのタイプなら壁の位置は気にしなくてもいいですよね。
冷蔵庫の庫内容量と電力量および電気代目安
庫内容量は一般的に、1人70ℓが目安の容量になります。
目安容量 = 家族の人数 × 70ℓ + 100ℓ(常備食材) + 70ℓ(予備スペース)

うちは4人家族だから…450ℓ以上の冷蔵庫かな
ただ冷蔵室、冷凍室、野菜室の合計容量の目安ですので、料理する食材により必要な室の大きさは機種選び時に確認しましょう。
また大人のみの4人家族と、食べ盛りの子供がいる4人家族とでは状態が異なりますので、子供の成長なども考慮してちょっと大きめサイズが必要かもしれません。
冷蔵庫の容量と消費電力量については、省エネ機能にも関係しますが、必ずしも比例しませんので下表では451ℓ以上の電気代が安価になっていることが分かります。
容量 | 年間消費電力量 | 年間電気代 | 人数目安 |
---|---|---|---|
140ℓ以下 | 302Kwh | 8,163円 | 1人 |
141~200ℓ | 304Kwh | 8,213円 | 1人(自炊) |
201~250ℓ | 314Kwh | 8,484円 | 2人 |
251~300ℓ | 333Kwh | 9,002円 | |
301~350ℓ | 367Kwh | 9,911円 | |
351~400ℓ | 364Kwh | 9,828円 | |
401~450ℓ | 303Kwh | 8,169円 | 3~4人 |
451~500ℓ | 274Kwh | 7,408円 | |
501ℓ以上 | 286Kwh | 7,721円 | 5人以上 |
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(http://seihinjyoho.go.jp/)を加工して作成。
「2021年6月1日 省エネ性能カタログ電子版 電気冷蔵庫」のリスト結果を加工し、人数目安項目を追記しています。
冷蔵庫の電気代計算
では、今使用されている冷蔵庫の消費電力から電気代を確認してみませんか。
消費電力量は冷蔵庫の庫内等に貼付されています。もし見つからないならネットで「(型番) 消費電力」と検索すればまず出てきます。

「NR-F475TM-N 消費電力」と入力して検索ッと!
電気代の計算式は、
年間消費電力量 × 電気料金単価 = 年間の電気代
例えば、下の冷蔵庫を例にすると、270Kwh/年 × 27円 = 7,290円
470ℓの冷蔵庫で年間電気代は7,290円、月額約608円が電気代目安となります。
※電気料金単価は27円としていますが、電力会社や契約容量により異なります。
冷蔵庫の設置スペース
今より大きい冷蔵庫へ買い替えを考えている場合は、その設置場所に入るかあらかじめサイズ確認しておく必要があります。
またキチキチに収めてしまうと電気代がかさんだり、故障の原因になるかもしれませんので放熱スペースを確保することは大切です。
放熱スペースとしては、壁からは5㎜~2㎝、天井からは5~30㎝は空けるようにしょう。但し、機種によっても空けるスペースは異なることもありますので、メーカーのカタログや購入する時に店員さんへ確認することがおすすめです。
搬入経路の確認
あらかじめ確認しておかないと、購入した冷蔵庫を家の中に運び込むのに玄関や室内のドアを外す必要や、玄関まで運べないことがあるかもしれません。
玄関から設置場所までの搬入経路(階段、エレベーター、通路、玄関、室内ドアなど)では、冷蔵庫本体プラス10㎝の空間は必要で、特に階段の場合は踊り場などで旋回できるかなどについて、事前に購入店と相談されることをおすすめします。
また販売店によっては、例えば階段で二階上げなどがあると別料金になることもありますので、これも事前に確認しておきましょう。
冷蔵庫の省エネ効果
1日中通電し、毎日開け閉めしている冷蔵庫ですので、少しでも節電したいですよね。参考になる資料がありましたので抜粋ですが紹介します。
省エネ効果項目 | 省エネ電気量(年間) | 節約金額(年間) | 比較内容 |
---|---|---|---|
ものを詰め込みすぎない | 43.84Kwh | 約1,180円 | 詰め込んだ場合と半分にした場合の比較 |
無駄な開閉はしない | 10.40Kwh | 約280円 | 開閉時間10秒で冷蔵庫12分ごと25回、冷凍庫40分ごと8回開閉とその2倍で比較 |
開けている時間を短く | 6.10Kwh | 約160円 | 開けている時間10秒とその2倍で比較 |
庫内の温度設定は適切に | 61.72Kwh | 約1,670円 | 周囲温度22℃で設定温度を「強」と「中」で比較 |
壁から適切な間隔で設置 | 45.08Kwh | 約1,220円 | 上と両側が壁に接している場合と接していない場合で比較 |
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(http://seihinjyoho.go.jp/)を加工して作成。省エネ性能カタログ2021年版の電気冷蔵庫より抜粋。
冷蔵庫の故障対応
冷蔵庫が故障してしまうと特に冷凍している食料品は困ってしまいます。
購入先へ持ち込むことも難しいので出張修理を依頼することになりますが、今すぐ修理に来てほしいと頼んでも、すぐに対応できる先は多くないと思われます。

冷蔵庫が故障したの!食料品がダメになるからすぐ修理に来て!
冷蔵庫を購入する時に、販売店によっては故障したら貸出品を貸与してくれることもあるようですので、修理対応についても予め確認しておくことは必要ですね。
もし故障してしまったら、まずは購入したところへ連絡してみましょう。そして対応が遅いようなら次のような先へ問合せしてみるのも手です。
- 購入店
- メーカー
- 家電量販店(他店購入品でも修理対応している量販店)
- 家電修理の専門業者
- まちの電気屋さん(メーカー系列店)
ただ修理を依頼する前にまず確認したいのが、保証期間内か否かです。
故障内容にもよりますが、修理料金には、部品代、技術料、出張料などで構成され、保証期間外では数千円~数万円かかることになります。
また購入した時に長期保証がついている場合もありますので、分からない場合は、購入店へ確認してみましょう。
冷蔵庫の買い替え
もし故障して修理代が高く感じ、使用年数も10年近いようなら買い替えも検討する必要があるかもしれません。
冷蔵庫の買い替え状況推移(平均使用年数)
2001年 | 2006年 | 2011年 | 2016年 | 2021年 | |
冷蔵庫(平均年数) | 12.4年 | 10.4年 | 10.8年 | 11.3年 | 12.9年 |
出典:内閣府 政府統計(消費者動向調査) 2021年3月より抜粋
買い替え理由の55%は故障のようです。
またメーカーは製品が故障した場合に修理ができるよう必要な部品の保有期間を定めホームページなどで公表していますが、電気冷蔵庫部品の保有期間は、その製品の生産中止時から9年となっていますので、使用10年ほどで故障したならやはり買い替え検討する方がいいかもですね。
故障でなければ、買い替え時期としては、販売店の決算セール、12月の年末セールや新旧モデルの入替えに伴う9月頃がおすすめです。
なお冷蔵庫は家電リサイクル法の対象であり、既存の冷蔵庫を引取ってもらう場合は、家電リサイクル法に基づきリサイクル料金と収集運搬料金が必要となります。
その場合は家電リサイクル券が発行されますので、控えはしっかり保管しておきましょう。
ただ故障していない中古冷蔵庫なら買い取ってくれる業者もありますので、売却できるなら処分費ではなく、逆にお小遣いぐらいになるかもしれませんが、手数料等は発生する可能性もありますのでよく確認してからにしましょう。
まとめ
- 冷蔵庫を購入する際には、ドアの開閉方向、庫内容量、電気代、設置スペース、搬入経路などを事前にチェック。
- 1年中通電するので電気代を抑えれる省エネ性能の優れた製品を選びましょう。
- 冷蔵庫の故障対応はスピードが重要ですので、購入時にチェックしておきましょう。
- 冷蔵庫は10年ほど使用したら買い替えも検討しましょう(省エネ性能も向上しています)
最後までご覧いただき有難うございました。